みなさんこんにちは。
今回はみなさんのクローゼットに必ずある「プリントもの」について、ご紹介したいと思います。
Tシャツにはじまりパーカーや各種アクティブウェアはもちろん、ズボンや帽子などまでプリントは施すことができる加工の一つです。
ハレルヤのアパレル部門「325」でも多く採用されています
一概にプリントといってもその種類は多様で、素材や用途によって使い分けられています。
今回はそのプリントの種類と、誰でも気軽にできるプリント方法について書いていきたいと思います。
Tシャツプリントの種類
シルクスクリーンプリント
手作業で行う基本的なプリント方法で、スクリーン版を使用して対象物にインクを刷り込む方法です。
「孔版印刷」とも呼ばれます。
小学校でやったような版画は、出したい柄部分を残して掘り、直接インクをつけて印刷する「凸版印刷」です。
版画のような凸版は版にインクを載せた上に紙を重ね、ローラーなどで圧をかけて写すという方法ですが、孔版では紙の上に版を重ね、版の上に乗せたインクをスキージーなどで押し出して紙に印刷するという仕組みにです。
この説明が文章だけでは理解が難しいので簡単な絵を載せておきます。
1色1色、刷り重ねていくため、1色につきスクリーン版が1つ必要になります。
後で紹介するデジタル印刷に比べて製版のコストは圧倒的に高くなりますが、枚数が多ければ多いほど作業スピードはデジタルを遥かに上回ります。
また、生地にインクを直接圧をかけながら刷り込むのでプリントの耐久性は一番高くなります。
プリントの対象物もデジタル印刷に比べて幅広くなります。
インクジェットプリント
対してインクジェットプリントはデジタル印刷で、専用の機械を使用して印刷する方法です。
仕組みは家庭用のプリンターと似ており、各色のインクボトルを接続したプリンターが印刷データから自動的にカラーの配色を行い、対象物に吹き付けていくという方法です。
版を必要とせず、フルカラーの印刷でも綺麗な表現ができることが強みです。
しかし高品質のインクジェットプリンター(ガーメントプリンター)は数百万円〜と高価で、業務用の機械と言えるでしょう。
転写プリント
手芸屋さんでも売っている「アイロンシート」などが転写プリントです。
転写フィルムにデジタルで印刷したものを対象物に高温で(一般的なアイロンシートはアイロンの中温程度)、圧力をかけながら写す方法です。
家庭にあるアイロンでも十分可能な方法なので、やったことがある方も多いのではないでしょうか?
こちらの方法も版が必要なく、フルカラーの表現が可能です。
また平らな生地面であればシルクスクリーンやインクジェットではプリント出来ないようなピンポイントな箇所へのプリントが可能です。
販売されているTシャツはどの方法で作られているのか?
主なプリント方法をご紹介しましたが、一般的なTシャツは主にシルクスクリーンプリントか、インクジェットプリントを使用していることが多いです。
耐久性が高く、インクが乗っている質感はシルクスクリーンの方なので、プリント部分を触ってみて、ゴムのような引っかかりがあればシルクスクリーンです。
インクジェットはプリント面に厚みが出ず、触ってもサラサラとした質感です。
(シルクスクリーンでもあえて生地の質感を残すように、インクを生地に沈ませる「染み込みプリント」と呼ばれる方法があります。)
今回は特に大掛かりな設備を使用せずに、販売されているような高品質のTシャツを作れるシルクスクリーンプリントをDIYする方法をご紹介します。
シルクスクリーンプリントのやり方
シルクスクリーンプリントに必要な物はざっくり以下のものです。それぞれ説明していきます。
① シルクスクリーン版
② スキージ
③ インク
④ 土台となる板
① シルクスクリーン版
シルクスクリーンプリントの肝、製版ですが、こちらのDIYの方法もたくさん記事がありますが、とりあえず自分でTシャツを作ることが目標という場合は専門のサイトで注文することをオススメします。
(製版のDIYにはプリント以上に設備やノウハウが必要になります)
フレームをつなぎ合わせて好きなサイズの版を作ることが出来る「SURIMACCA」がオススメです。
スターターキットを購入すると一通り必要なものがセットになっており、説明書も入っているので誰でも気軽に始めることができます。
あとはデザインを作成し、フィルムをその都度注文すれば大きさに合わせて自分で版を組み立てることが可能です。
② スキージ
インクを刷るための、ヘラのような道具「スキージ(スキージー・スクイージー)」
こちらは①のスターターキットに入っているのでとりあえずは大丈夫です。
③ インク
インクは大きく分けて「水性」「油性」とありますが、家庭で使用刷る場合は「水性」を選んだ方が良いでしょう。
水性インクは仕上がり後の特殊な処理をしなくてもプリントが定着しますが、油性インクは高温での熱処理が必要になります。
また、水性インクは固着するまでは水で洗い流すことが可能ですが、油性インクは洗浄にも専用の溶剤が必要になります。
④ 土台となる板
土台となる板は、平らで曲がらないしっかりしたものなら基本的には何でも大丈夫です。
一般的なTシャツやスウェット、バッグにA4サイズ程度のプリントを行いたい場合はこちらが便利です。
このパネルをTシャツに挟み込み印刷するのですが、その際に必ず板に粘着性を持たせて、Tシャツがズレないようにしてください。
ホームセンターなどでも売っているスプレーのりで大丈夫です。
ここまで全てが揃ったら後はプリントするだけです!
スプレーのりを土台板に均一に振り、しっかり乾かした ④土台の板パネルをTシャツに挟み込み、その上から①の版を置き、③のインクをのせ、②のスキージで刷るとTシャツが完成です!
意外とコストもかからず、そこまで広いスペースも必要としないので、自分でオリジナルTシャツを作ってみたい!
という方はぜひ参考にしてみてください。
プリントが終わったら使用した版、スキージは柔らかい食器用のスポンジを使い、水やぬるま湯で洗い流して下さい。
洗い流さずにそのまま30分など放置してしまうと、せっかく作った版が使えなくなってしまうのでご注意下さい。
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