何かを作りたい、購入者と一緒にプロジェクトを成功させたいという思いへの応援や、地方活性のイベントなどに留まらず、新たな販売方法として注目されているクラウドファンディングですが、これまでのEC販売とはどう違うのか?
これからクラウドファンディングサイトでの販売を検討している方に向けて、ページの作り方やコツをご紹介していきます。
クラファン販売(購入型プロジェクト)とは
クラウドファンディングとは「群衆(クラウド)」と「資金調達(ファンディング)」を組み合わせた造語で、「インターネットを介して不特定多数の人々から少額ずつ資金を調達する」ことを指しています。
資金調達というと金融機関からの借り入れや、出資などが想像されますが、実はそこまで堅苦しいものではなく、物販(購入型プロジェクト)においては「資金調達」というよりも「予約販売」という特性の方が強いです。
これまでのECでの物販は事前に在庫を用意し、商品ページを作成、購入される毎に発送業務を行うというのが一般的な流れです。特に近年は楽天市場やAMAZON、ヤフーショッピングなどでも即日や1営業日での早い発送が求められ、モール内での価格競争も激化しています。
そんな中で新たな販売チャネルとして注目されているのが「クラファン販売」なのです。
主要なサイトとして 「Makuake(マクアケ)」や「Campfire(キャンプファイヤー)」「未来ショッピング」などがあります。
「Ready for」や「Good Morning」などは地域のためのプロジェクトや社会貢献事業がメインなので、クラファン物販を始める際には今の所向いていないでしょう。
どのクラファンサイトから始めれば良いのか?
上記で紹介したクラファンサイトですが、ではどのサイトを利用して販売を始めれば良いのか?
オススメは「Makuake(マクアケ)」です。
理由としてはそれぞれのサイトの出品条件と利用者数になりますが、「Makuake」は利用者数が多く、国内最大級のクラファンサイトです。しかし出品条件としては「どこにも出していない初めてのプロジェクト」が必須となります。
同じく国内最大級のクラファンサイトである「Campfire」は、「プロジェクト開始時に他サイトや実店舗などで販売されていないもの」であれば出品が可能です。
つまり、「Makuake」で成功したプロジェクトでも「Campfire」でもう一度プロジェクトを行うことが可能となっています。
「Campfire」で一度実施したものは「Makuake」では出品出来ないので、一つのプロジェクトのトータル資金調達額を大きくしたい場合は「Makuake」→「Campfire」の流れがオススメです。
1サイトのみで販売を行いたいという場合は、最も利用者数が多い「Campfire」での出品でも問題無いでしょう。
クラファンのページの作り方とは?
プロジェクトを実施するサイトが決まったら、いよいよページ作りです。
これまでのFCモール販売では競合他社が並んでいる中で自社の商品を選んでもらわなくてはいけないので、どうしても「お得さ」や「安さ」でも勝負していかなくてはいけません。クーポンや値引き、ポイント付与などでイベント感を演出し購入を後押しするという施策が一般的です。
しかしクラファン販売で大事なのは「商品の魅力を最大限に伝える」ことと、「商品にかける思いやストーリー」が購入につながる大事なポイントになってきます。
サムネイルとキャッチコピーで商品の魅力を最大限に伝える
まず大事なのは入り口となる「サムネイル(トップイメージ)」と「キャッチコピー(クラファン内での商品名)」です。
商品の魅力的なポイントはどこなのか?それが最も伝わるように写真の構図を工夫し、一目で伝わるように文字で特徴を端的に表すことが重要です。
例えば商品が「中で仕分けが出来る2wayバッグ」だったとします。
どちらのサムネイルがより特徴を一目で伝えれるでしょうか?
① 都会的な雰囲気のサムネイル
② 内装の仕分け例を見せたサムネイル
おそらく②のサムネイルの方がクリック率は高まるのではないでしょうか?
ポイントとしては3つあります。
ポイント01. ショルダー掛けの写真を使い2wayで使える事を伝える
ポイント02. 商品の特徴をテキストで端的に伝える
ポイント03. 仕分け内装+カメラや本を見せて購入者のライフスタイルを想像させる
「自分の生活、興味に近く、どんな商品か見てみたい」ということをキャッチすることがサムネイルの役割です。
例えばカメラや読書が趣味だったり、タブレットを最近買ったりしていれば①のサムネイルよりも②のサムネイルの方が圧倒的に興味を引くはずです。
まずは入り口でどんな人に商品を見てもらいたかをしっかりキャッチできるサムネイル作りを心掛けましょう。
ページ冒頭でメリットを伝える
ページの中に入ってきたら冒頭部分でまずはメリットをしっかり伝えることが大事です。
例えば先ほどの2wayバッグの場合、
① 仕事用でも休日用でも使える便利な2way仕様で肩掛けもOK。内装は仕分けが出来て仕事道具も趣味のガジェットも収納可能!イタリアンレザーを使用したオシャレなバッグ。
② 仕事用のバッグは大きすぎてオフの日には使いずらい。そんな悩みも解決できる、仕分け収納で仕事道具も趣味のガジェットも詰め込める2Wayバッグ。Tシャツにジーンズでもお洒落にキマる、伝統あるイタリアンレザー製。
内容に違いはほとんどありませんが、ポイントとしては2つあります。
ポイント01. どんな人がこの商品に魅力を感じてくれるのか(どんな人の悩みを解決できる商品なのか)
ポイント02. 購入後にどんな良いことが起こるのか
「誰かのちょっとした悩みを解決できる」ということがストーリーとして伝えれることが大きなポイントになります。
カメラが入るお洒落なビジネスバッグが無かったから。ポケットに入れても膨らまない本革財布が無かったから。その製作の思いや過程がそのままストーリーとなります。
ポイントの二つ目として「購入後にどんな良いことが起こるのか」というのは商品の魅力を伝える上でのテクニックです。
「イタリアンレザーを使用したオシャレなバッグ」
「Tシャツにジーンズでもお洒落にキマる、伝統あるイタリアンレザー製バッグ」
①はこのバッグがお洒落ですよ!という魅力の伝え方ですが、
②の方は文章を読んでいながらTシャツにジーンズの自分を想像し、その姿がお洒落ですよ。と、購入者がこれから体験することを想像させるような魅力の伝え方になっています。
例えば商品がモバイルバッテリーなら
「どこでも充電できる便利なモバイルバッテリー」よりも
「急な充電切れにも困らない!旅行でも活躍するモバイルバッテリー」の方が魅力がより伝わるでしょう。
本文は比較や動画などで魅力を伝える
本文では商品のスペックやディティールを細かく紹介していきます。
商品説明はページを見ている人が飽きないように既存商品と比較して特徴を伝えたり、動きのある動画やgifなどで製品のポイントをしっかり伝えていきます。
どのポイントにこの商品の優位性や特徴があるかを比較表やグラフを使用して分かりやすく伝える。
リニューアル商品なら実際の比較写真を掲載することで視覚的に伝えることができます。
また動画やgif画像(パラパラマンガのように画像をつなぎ合わせたもの)はぜひページに入れた方が良いでしょう。
YouTubeで動画アップロードして紹介ムービーを作ることもオススメです。
リターン商品の早期購入特典をつける
商品の魅力を伝えるページが作成できたら、実際に購入するリターンの設定です。
クラファンの実施期間は短くて2、3週間程度〜長ければ3ヶ月程度が一般的です。その中で可能であれば早期購入特典として割引を実施するのも有効です。
例えば定価10,000円の商品の場合、先着10名様は20%OFFの8,000円で購入できるリターンを設定し、その後の先着30名様は15%OFFの8,500円で購入できる。というような具合で早い購入ほどお得なリターンを設定しておくことで、プロジェクト期間中の早い購入と盛り上がりを促すことができます。
モール型ECと違い、クーポンや値引きの設定は出来ないので、プロジェクトを開始する前から計画的に設定しておくことが重要です。
安心感のある自己紹介をしましょう
最後に、どんなサイトでも言えることですが購入者にとって安心感のあるページ作りを心掛けましょう。
クラファン販売は初めてでも、例えば自身のこれまでの活動とその実績や、実店舗の紹介や、自社EC、モール型ECでの実績を掲載することで安心感に繋がります。
また購入されたリターンがいつ、どのように発送されるのかをきちんと明記しておくことも重要です。