革のコバ処理とは?超重要な役割と仕上がり。【革職人の仕事】

こんにちは。制作の山崎です。
前回に引き続き、今回もハレルヤ工房から革職人の仕事の一部をご紹介します。
革製品の仕上がりを大きく左右する「コバ処理」です。



まず初めに。コバとは?


「コバ」とは「木端」と書き、革製品の端、切りっぱなしになっている部分のことを言います。


革製品の様々な場所にある「コバ」。
全体の仕上がりのクオリティを大きく左右する、大切な部分です。

切りっぱなしなので当然仕上がりが悪いと端がバサバサしていたり、劣化が早まるというデメリットがあります。
しかしこの部分がしっかりと均一に仕上がっている小物は見た目にも綺麗で、長持ちします。


コバには、端の革を薄くして内側に折り込み縫製する「ヘリ返し」という仕上げもあります。
この場合はコバを磨いたり塗ったりはしません。使われる革素材や、デザインによってどういう仕上げにするかは様々です。
ヘリ返しについてはまた改めて記事にしようと思います。

スマホケースのパーツのコバ処理


今回は牛革製のこちらのスマホケースのカードポケット部分のコバ処理をしていきます。


本体部分と組み合わせる前、パーツの段階でそれぞれ処理していきます。
コバ塗り前の革の端はこのような状態です。
全体をある程度磨き上げ、綺麗にニス塗りが出来る状態にしておきます。


1枚1枚、4辺にニスを均一に塗り、端を滑らかにしていきます。
また、革は銀面(表面)が染色されていますが、裁断面には下地の色が出てきます。
その下地の色をカバーする役割でも、コバ塗りは重要な工程です。


パーツ同士が接触しないようにニスを乾燥させます。


しばらく乾燥させれば完成です!
コバ塗りする前とでは仕上がりに大きな違いがあります。

まとめ


いかがでしたでしょうか?
コバ処理は職人さんによってやり方も違い、決まった方法はありません。
このような工程を見ていると、革製品はたくさんのパーツの処理、縫製を組み合わせて出来ているんだなと、改めて思いました。

毎日使っている財布の細かな部分など、ぜひ一度見てみて下さい。
一つの財布の中でもコバ処理をしていたり、ヘリ返していたり、きっとたくさんの発見があって、より革小物を好きになれるんじゃないかなと思います。

それでは今日はこの辺で。ありがとうございました。


今回の記事で登場したスマホケースはこちら▼
■栃木レザー スマホケース

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